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山本 博之; 馬場 祐治; 佐々木 貞吉
Surface and Interface Analysis, 23, p.381 - 385, 1995/00
被引用回数:17 パーセンタイル:53.88(Chemistry, Physical)Si(100)表面に5keVのN,Oイオンを注入し、イオン注入層の電子構造についてX線光電子分光法(XPS)、X線励起オージェ電子分光法(XAES)およびX線吸収端微細構造法(XANES)により解析した。O注入の場合、XPS(Si2p),XAES(SiKLL)スペクトルは310/cm以上でSiから急激にSiOの位置へとケミカルシフトが生じる。またXANESスペクトルでは双極子選択則よりSi2pSi3s,Si2pSi3d,Si2sSi3p遷移による吸収ピークが観測され、いずれも4.510/cm以上で3~4eV高エネルギー側にシフトする。これらの構造は既報のSiOのスペクトルに類似しており、O注入層がSiとSiOの混合層からなることを示唆する。一方N注入ではこれらのスペクトルのシフトは照射量の増加に従ってゆるやかに生じ、N注入層がSiとSiNの混合層ではなく、SiとNとのランダムな結合を形成しているものと考えられる。